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「白鯨」にみる宗教観。
やっとこメルヴィル「白鯨」を読破しました。
これ、新潮文庫版(だったかな?)以前読みかけたのですが、上下巻のうちの上巻しか手元になく、みんながいざ船に乗り込んだ!というところで止まってしまっていたので、今回やっと溜飲が下がった思いです。 それにしても、いや、これは素晴らしいっす。 生き生きとした描写や各登場人物などの描き込みも素晴らしいのですが、なんと言っても白眉なのは、この全体に脈々と息づくメルヴィルの思想につきるような気がします。 特筆すべきはその宗教観。もちろんこれは主人公であるイシュメイル(クリスチャン)の視点を通して描かれるわけですが、全世界の人々が、彼のこの宗教的にフラットな視点を持ち得るのであれば、世界に宗教戦争は起こらないのではないかと思えるほどです。 例えば登場人物の中で、彼の友人となり一緒に捕鯨船に乗り込むことになるクィークェグという人物がいます。この人物は南方の人食い人種で異教徒という、西欧社会ではそれだけで被差別的な存在ですが、イシュメイルはクィークェグが異教の宗教を信仰するさまを敬意を持って見つめ、彼の習慣を尊重します。 ただ、確かにイシュメイル=メルヴィルが他国民を揶揄するくだりも皆無ではないのですが。ともかくもこれらはメルヴィルが実際に船で世界をめぐったときに獲得した、彼の宝であると言えるでしょう。 今回私が全部読んだのは岩崎書店版。(読み終わって何ですが、新潮の訳文の方が雰囲気があるような気がする。ちゃんと検証してないのでちょっと心許ないけど)この解説によると「白鯨」は出版当時評価されず、彼の没後に注目された作品だそうです。原作は鯨の描写がもっと難解なようで、敬遠されたらしい。 そうそう私の個人的な感想なんですが....マッコウクジラってこんなに凶暴なの? おまけ1。 ちょっとしたうんちくをひとつどうぞ。 あの有名なコーヒーショップ「スターバックス」ですが、あれは「白鯨」に出てくる、エイハブ船長率いるピークォド号の一等航海士スターバックの名から取っているのです。このスターバックという男、船内で唯一船長に面と向かってものが言える、謹厳実直で慎重を絵に描いたような有能な航海士です。(創業者は、ほんとは「ピークォド」にしようとしたらしい.けど、語呂が悪くてやめたらしい) おまけ2。 近所に日焼けサロンがあるんですが、そこの店名がなんと「モビー・ディック」... 笑い死にしそう。
by finny21
| 2005-04-04 11:43
| 図書館通い
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